わたしはうたになりたい
わたしはつねにせつなく
せつなさはつねにせつなく
踊りはつねにせつなく
花ははなひらいている
春がふりつもるきいろい石畳
みたこともない記憶がとおりすがっていく
道ばた
煙草はけしわすれられている
しぬことをとうとつにおもいだす
コーヒーには砂糖がたりていない
雲のいろがしろいことをわすれている
ひかりは散りつづける
くろい自画像がたちつくす
まひるの街灯
わたしはうたになりたい
空虚はつねにせつなく
風はふきぬけていく
せめてあざやかなものがあるならば……
(わたしはつねにせつなく
せつなさはつねにせつなく
踊りはつねにせつなく
花ははなひらいている)
二〇一三年四月一七日