地平線


ひとすぢの線
しろい 葉のうえをはしる
警鐘がなっている
さんざめく太陽の静寂


鉄塔をのぼっていく手
冬のひだまりはとおく
どこまでものぼっていくのは子ども
青空のなまえをわすれる


かがやきの大地に寝そべる
この凍土のしたにはウラニウムがうまっている
きいろい蝶の明滅
しづかにほてる 手


ときの硝子の残響
痛みはとびさっていく
天は瞼をおろして、僕らをみる
きつく ひきむすんでいたはずの魂が
ほどける


えいえんをはらんだ地平線
とまらない息
さやさや と まひるは
ながれている


                  2013年10月 早稲田詩人31寄稿

   

  
inserted by FC2 system